アービトラージとは、通貨の価格差を利用した「さや取り」のことです。
そんなアービトラージは全部で4種類あります。
順番にそれぞれの手法の特徴ややり方について見ていきましょう。
1. 業者間アービトラージ
業者間アービトラージとは、業者間のレートのわずかな遅れを利用して価格差を狙う手法で「レイテンシーアービトラージ」とも呼ばれています。
FX業者の提示するレートは、常に同じではありません。
海外FX業者では顧客から受けた注文をインターバンクに流す際、以下の2つの方法を採るケースがほとんどです。
当然、一度FX業者を経由してインターバンクへ流している後者の方が、前者に比べるとややレート配信が遅れます。
例えば、以下の2つの業者を見ると、B業者はA業者よりもレートの配信が遅れている点がわかります。
特に18:00:02時点は、両者の価格差が最も開いているため、アービトラージをする絶好のチャンスです。
A社から160.20のレートで購入後すぐに、B社で同じ通貨ペアを160.40で決済すれば、差額分を受け取れます。
このケースでは、0.2円分の差額が発生しており、仮に1ロットで取引していた場合の利益額は2万円です。
作業時間はわずか1分以内なので、効率的に利益を得られます。
2. スワップアービトラージ
スワップアービトラージとは、同一銘柄のスワップポイントの金利差を狙って利益を得る手法です。
売りスワップが高い通貨をショート(売り)して、買いのスワップが安い通貨をロング(買い)するだけで利益を得られます。
為替レートの変動も気にする必要はなく、あくまでも狙うのはスワップポイントのみです。
例えばTRY/USD(トルコ/ドル)の買いスワップが2,000円、売りスワップが-1,800円のケースでは、200円分のスワップを受け取れます。
ただし、買いと売りのスワップの合計がプラスでなければ、利益を得られません。
以下の表では、一番上がスワップアービトラージの成功例です。一方で、下の2つについては買いと売りのスワップ合計がマイナスになるので、アービトラージができません。
つまり、買いと売りのスワップ合計がプラスの通貨ペアを探す必要があります。
3. 3通貨アービトラージ
3通貨アービトラージとは、トライアングル・アービトラージや三角裁定取引と呼ばれている手法です。
この手法は3つの通貨ペアの価格差で利益を出すため、業者間アービトラージやスワップアービトラージと比べると、やや複雑といえます。
例えば、日本円・ドル・ユーロの3通貨でアービトラージをする場合、以下の手順通りに売買を行います。
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日本円をドルに換える(ドル円の買い)
-
ドルをユーロに換える(ユーロドルの売り)
-
ユーロを日本円に換える(ユーロ円の買い)
ただし3通貨アービトラージで利益を得るには、3つの通貨ペアのバランスが不均衡でなければできません。また、3通貨が不均衡かどうかを探すのに集中力が求められます。
4. ボーナスアービトラージ
ボーナスアービトラージとは、2つ以上の業者で口座を開設し、それぞれボーナス(口座開設ボーナスか入金ボーナス)をもらって行う手法です。
仮に100%入金ボーナスを利用して2つの業者に5万円ずつ入金したと仮定します。
この時2つのFX業者の口座残高は、ボーナスも合わせるとどちらも10万円です。
ボーナスアービトラージで大きな利益を得られるのは、雇用統計やFOMCなどあらかじめ大きな値動きが予測できる時です。
したがって雇用統計直前に、10万円で保有できるだけ同じ通貨ペアの買いと売りのポジションを注文しておきます。
雇用統計により相場がどちらかに大きく傾いた場合、以下のような結果となります。
例えば5ロットずつ注文して、ドル円が130円から131円まで上昇した場合の状況は、以下の通りです。
B業者の売りポジションは、ドル円が130.2円前後まで上昇した時点でロスカットされるため、口座残高10万円を全て失います。
ただし、ボーナスも含まれている金額なので、実際に失うお金は入金額の5万円のみです。
一方、A業者の買いポジションは131円まで上昇した時点で50万円の含み益が発生しています。
したがって、労せずして45万円の利益が手に入る仕組みです。
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さて、今回私が手法をご紹介するのは、2つ目にご紹介したスワップアービトラージについてになります。
やり方については、誰でも簡単にできる手法ですので、ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。
私はこの手法を用いて、2023年1月~12月の1年間で、120万円の元手資金から158万円にまで増やすことができました。
1年間で+30%なので、大して儲かっていないように見えてしまうかもしれないですが、この手法の肝は低リスクを主眼に掲げているので、+30%でも大きいのかなと思います。
また、断定的な表現を使うと、金融商品取引法違反となってしまうので、その点は留意いただきながら読んでいただけたらと思います。
それでは、手法についてお伝えさせていただきます。
と、その前にスワップについて改めて解説させてください。
(面倒な方は読み飛ばしていただいて大丈夫です!)
スワップは、2つの通貨を交換するときに生じる金利差調整分のことをいい、高金利の国の通貨を買って低金利の国の通貨を売った場合に、その金利差分をスワップとして受け取ることができます。
※逆に、低金利の国の通貨を買って高金利の国の通貨を売る場合は、金利差分のスワップの支払いが発生します。
例えば、ドル円に関しては、アメリカの政策金利が(2023/12/29現在)
5.25~5.50%で、日本の政策金利は約0%なので、ドル円を買いポジションで持っていれば、その政策金利差分の年間約5%分のお金がスワップとして
貰えます。
逆に、売りのポジションで持っていると、年間5%分のお金がスワップとして引かれてしまいます。
*厳密には、「政策金利差=スワップ」ではなく、スワップの方が小さくなります。政策金利の差が5%程度の場合、ドル円のスワップは、年間2〜3%が一般的になります。
ただ、スワップは各証券会社によって異なるので、スワップが出来るだけ高い業者を選ぶのがお勧めです!
(その分スプレッドが高いと意味ないですが、、)
スワップポイントは、基本的にはポジション持っている状態で日を跨ぐことで毎日発生します。
各営業日のクローズ時点(夏時間:午前6時、冬時間:午前7時)に付与され、1年365日分付与されますが、土日・各国の祝日があると付与日数が変則的になります。 受渡日が変則的になると、付与日数が「3日分」「4日分」と通常時以上に付与されるケースがあります。
スワップの付与日・付与日数は、基本的には各FX業者間で同じですが、スワップポイントは毎日変動するので、定期的に確認することをお勧めします。
つまり、FXとは、ドル円が150円になったり140円になったりという為替の変動による利益・損失だけではなく、スワップという買いや売りのポジションを持っているだけで確定する利益・損失の2つがあります。
スワップアービトラージとは、買いポジションと売りポジションの両方を同数量保有することで(両建て)、為替の変動による利益・損失の影響を無くし、各FX業者間のスワップポイントの差分だけを美味しくいただく手法に
なります。
以上で、スワップについての説明は終わりになります。
続いて、具体的なその手法についての説明をさせていただきます。
(あくまで私が稼いだ手法をお伝えするだけですので、この方法を推奨するものではございません。)
私が今回ご紹介するスワップアービトラージの手法は、2つの海外FX業者間のスワップポイントの差を利用して稼ぐ方法になります。
まず、1つ目の海外FXは、Exnessという業者の口座を開設します。
Exnessである理由は、
・海外FXでは珍しく異なる業者間での両建てをOKとしている
・一部銘柄(ドル円、ユーロ円、ゴールド等)がスワップフリーで取引できる
特に、このスワップフリーで取引できるという点が大きいです。
通常ドル円の売りポジションを持っていると、毎日スワップ分が損失となってしまうのですが、Exness口座は全てスワップフリーで取引できるので、売りポジションをいくら持っていても費用が発生しないのが魅力で、この手法の"かなめ"になります。
そのため、Exnessは売りポジション用の口座になります。
上記2つの条件を満たすFX業者はExnessだけなので(2023/12/27時点)、Exnessで開設してます。
Exness公式リンク↓
https://one.exness-track.com/a/dyl1iooqww
続いて、2つ目の海外FXは、Axioryという業者の口座を開設します。
Axioryである理由は、
・異なる業者間での両建てをOKとしている(Exnessと同じく)
・海外FXの中では、プラスのスワップポイントが最も高い
海外FXは、プラスのスワップポイントが付かない業者が多い中、Axioryはきちんとプラススワップが付くのが魅力です。ただ、国内FXのスワップポイントと比べると、約半分しか貰えません、、(笑)
そうなると、買いのポジションは国内FXを使った方が良いのでは?と思う方も多いかと思いますが、結論から申しますと、それは税金の関係でデメリットが多いので推奨しません。
その税金の関係というのは、海外FXの損益は国内FXの損益と合算できないという理由のためです。FXの損益はどちらも同じ雑所得ではありますが、国内FXは申告分離課税、海外FXは総合課税に該当するため損益通算ができないのです。
したがって、両建てを行い、海外FXにて1000万円の利益が出て、国内FXで1000万円の損失が出た場合、損益の相殺ができず、海外FXの1000万円の利益に対して税金が掛かってしまうのです。
なので、年末までに国内FXと海外FXのそれぞれの損益を±20万円以下に抑えられる凄腕のトレーダーでなければ、2つの海外FXを使っておいた方が無難でしょう。また、私のように損益±20万円ギリギリまで国内FXで運用して、超えそうになったら海外FXに移行するのもありです。
また、国内FXや海外FXで、元々年間の損失が出てしまっている方は、相殺できそうな分は国内FXで行っても問題ないでしょう。
Axiory公式リンク↓
また、一応国内FXを使われる方のために、
私おススメのDMM FX の開設リンクも張っておきます。
(スワップも高く、今なら最大30万円キャッシュバックキャンペーン中です)
同じロットの通貨を同じ時間に、Exnessでは「売り」、Axioryでは「買い」のボタンを押すだけの簡単作業です。
ただ、今回はレバレッジをかけて両建てを行い、また、ドル円の価格が大幅に変動する場合もあるので、Exness と Axioryそれぞれに対して、あらかじめ損切りラインと利確ラインを設定しておきます。
例えば、ドル円が150円の時に両建てを行ったのであれば、
~Exness(売りポジション)~
「逆指値(損切り)」=156円
「指値(利確)」=144円
~Axiory(買いポジション)~
「逆指値(損切り)」=144円
「指値(利確)」=156円
のように設定しておくことで、万が一、価格が156円以上になったり144円以下になったりしたときにどちらも同時に決済できるようにしておくのが良いでしょう。
ただし、急激な値動きの際は、必ずしも両方決済されるとは限らないので、レバレッジは控えめに設定して、変動の許容範囲を広げておくのが良いでしょう。
個人的におススメなのは、レバレッジ25倍に設定して、±4%の変動幅に耐えられるくらいにしておくのが良いと思います。
±4%は、1ドル150円でいうと、144円~156円になります。
過去、米国CPIや日銀政策発表時を除くと、1日で6円(±4%)動くことはほぼ無いので、この値に設定しています。
下記に両建てのやり方をまとめました。
1ロットだと意外と必要金額多いと思うので、まずは0.1ロットとか少ない金額からはじめてみるのが良いと思います!
~1ロットずつ両建てする場合~(1ドル=150円時)
① ExnessとAxioryにそれぞれ60万円ずつ入金を行う
② ExnessでUSD/JPYを1ロット「売り」、Axioryで1ロット「買い」注文を同時に行う。(2画面必要になるので、スマホ2台使ったり、PCとスマホで同時に約定できるようにお願いします。)
③ 約定価格よりプラスマイナス4%の箇所に、利確・損切り注文を出しておく。
(例)
~Exness(売りポジション)~
「逆指値(損切り)」=156円
「指値(利確)」=144円
~Axiory(買いポジション)~
「逆指値(損切り)」=144円
「指値(利確)」=156円
④ CPIなどの指標発表時前や利確・損切りラインに近づいてきた際は、再度同時に決済を行う。
*1ロット=10万通貨=1500万円(1ドル150円時)
では、この手法のその後の資産推移をみていきましょう。
(1ロットで1週間運用した場合)
~1日目(月曜)~
損失:2400円
Exnessスプレッド分:0.7pips=700円
Axioryスプレッド分:1.7pips=1700円
利益:981.5円
Axioryスワップ:981.5円
~2日目(火曜)~
利益:981.5円
Axioryスワップ:981.5円
~3日目(水曜)~
利益:981.5円
Axioryスワップ:981.5円
~4日目(木曜)~
利益:2944.5円
Axioryスワップ:981.5円×3=2944.5円
(木曜日は土日分含めた3日分付与される)
~5日目(金曜)~
利益:981.5円
Axioryスワップ:981.5円
1週間収支
損失:2400円
利益:6870.5円
トータル収支:4470.5円
仮に、これを1年間続けるとしたら、
4470.5円/週 × 52週 = 232466円 のプラスになると予測されます!*
(余談ですが、国内FXで行うと、50万円程度のプラスになります。)
*必ずしも同様の結果になるとは限りませんのでご注意ください。
Axioryのスワップは毎日変動するので、チェックしてみてください。
参考:Axiory スワップ計算サイト
さて、ここまでの話を聞いていかがだったでしょうか?
何千万と入金して、何十ロットも両建てして不労所得だけで暮らしたい!と思う方もいらっしゃるかもしれないですが、結論から申し上げますと、それは少し厳しいかもしれないです。
その理由は、下記の2つあります。(主に②の方)
① 通貨間の政策金利差が最低2~3%以上開いていないとこの手法は使えない(スプレッド負けする)ので、米国やEUなどが利下げを行って政策金利差が2%未満くらいになると厳しいかもしれません。
ただ、再現性はあるので、再び政策金利差が広がった場合には有効の手法になります。
②Exnessのスワップフリー特典は、あからさまなスワップフリー目的のためだけのトレードを高いロットで行っていると、スワップフリー特典を剥奪されるそうです。(XMも同様のようです。。業者間の両建て不可ですが、)
剥奪されないためには、高いロット(1.5~2ロット以上)で入らず、こまめな決済(1~2週間くらいで一度決済)をしたり、スワップフリー目的以外のトレード(=日跨ぎをしないトレード)を少しだけ挟むと剥奪はされません。
要は、スワップフリー分は全てExness側の負担になってしまうので、手数料を取れないような客は特典を剥奪しようということです。
なので、目立たずひっそりと、少しの資金だけ稼ぎ続けた方が良いのです。
ただ、普段からFXをやられている方は、Exnessでの取引に移してしまえば、そういったことを気にせず両建てできると思うので、とても良い手法だと思います!
また、スワップフリー特典を剥奪される場合は、事前にメールが飛んでくるので、その前に両建て決済してしまえば影響はありません。
Exness で優待スワップフリーが剥奪されても、一定の取引を行えば、再度スワップフリーに戻れるそうです。
Xでも定期的に海外FXの抜け穴手法を発信するのでフォローよろしくお願いします。
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